作曲:山田耕筰
・内容:スコア・パート譜一式
・発売日:2024年6月9日
編成
Violin 1,2
Viola
Violoncello
Harmonium
解説
1919年、土方与志率いる友達座による、メーテルリンクの戯曲「タンタジールの死」の上演のために、山田耕筰は弦楽四重奏とハルモニウムによる5つの音楽を作曲した。山田作品の中でもひときわ前衛的な作品であり、とりわけ弦楽器の鋭角な響きは、アルバン・ベルクの「抒情組曲」の先取りとも言える。
さらに響きを特徴づけているのがハルモニウム、いわゆる足踏みオルガンの使用であろう。かつては小学校の各教室に置かれているぐらいに普及していた楽器であったが、現在では電子キーボードに取って代わられ、巷で見かけることがほとんどなくなってしまった。しかし「タンタジールの死」を演奏するにあたって、必ずしもハルモニウムでなければならないということではないように思う。山田も劇場などで身近にあったからこそこの楽器を用いたのであり(当時はピアノよりも普及率が高かった)、電子キーボードや、電子オルガンなどでの代用も十分可能であろう。そしてその音色もオルガン系やパッド系、ストリングス系もさることながら、若干無機質な響きを持つエレクトリック・ピアノの音色も本作には合うのではないかと思う。
作曲されてから100年以上の年月を経た作品ではあるが、現代ならではの響きをも取り入れられるほどの新鮮さを湛えた傑作である。様々な機会に、21世紀における山田耕筰の響き、そしてメーテルリンクの幽玄な世界観の表出などを試みて頂きたい。
山田自身による随筆『「タンタジールの死」と私の音楽』も併録。
作曲:山田耕筰
・内容:スコア・パート譜一式
・発売日:2024年6月9日
編成
Violin 1,2
Viola
Violoncello
Harmonium
解説
1919年、土方与志率いる友達座による、メーテルリンクの戯曲「タンタジールの死」の上演のために、山田耕筰は弦楽四重奏とハルモニウムによる5つの音楽を作曲した。山田作品の中でもひときわ前衛的な作品であり、とりわけ弦楽器の鋭角な響きは、アルバン・ベルクの「抒情組曲」の先取りとも言える。
さらに響きを特徴づけているのがハルモニウム、いわゆる足踏みオルガンの使用であろう。かつては小学校の各教室に置かれているぐらいに普及していた楽器であったが、現在では電子キーボードに取って代わられ、巷で見かけることがほとんどなくなってしまった。しかし「タンタジールの死」を演奏するにあたって、必ずしもハルモニウムでなければならないということではないように思う。山田も劇場などで身近にあったからこそこの楽器を用いたのであり(当時はピアノよりも普及率が高かった)、電子キーボードや、電子オルガンなどでの代用も十分可能であろう。そしてその音色もオルガン系やパッド系、ストリングス系もさることながら、若干無機質な響きを持つエレクトリック・ピアノの音色も本作には合うのではないかと思う。
作曲されてから100年以上の年月を経た作品ではあるが、現代ならではの響きをも取り入れられるほどの新鮮さを湛えた傑作である。様々な機会に、21世紀における山田耕筰の響き、そしてメーテルリンクの幽玄な世界観の表出などを試みて頂きたい。
山田自身による随筆『「タンタジールの死」と私の音楽』も併録。