作曲:山田耕筰
・内容:ピアノピース
・発売日:2024年4月28日
収録曲
シャコンヌハ長調
シャコンヌハ短調
シャコンヌト長調
解説
山田耕筰は1910年春にベルリンに渡って王立アカデミー高等音楽院に入学、レオポルト・カール・ヴォルフから作曲の指導を受ける。山田はここで、フーガ、ロンド、変奏曲、シャコンヌなど、バロックや古典派などの伝統的書法を徹底的に学ぶのだが、そうした中で書かれた習作の多くが現存しているだけでなく、一部の作品は演奏、出版まで計画されるなど、単なる課題の域を超えた“作品”として、彼は見ていたのではないかと思われる。
本巻に収録の3作の『シャコンヌ』もそうした留学中の課題曲として1910年に書かれたもので、このうちハ長調の楽曲は、1962年刊行の「山田耕筰全集10 ピアノ曲1」(第一法規出版)に収録されている。シャコンヌとは低音のオスティナート(同一パターンの繰り返し)の上で、上声パートが変奏を繰り広げるバロック時代の変奏曲形式であり、19世紀においてもブラームスの交響曲第4番の終楽章などにこの形式が採用されている。
山田が課題の中で取り上げたシャコンヌはオーソドックスなバロック的アプローチに基づいてはいるが、中盤以降ではベースラインのモチーフを分解して新たに展開させていくなど、様々な創意工夫を凝らしており、若き山田耕筰の溌剌とした才気を身近に感じることができる。後に開花する山田耕筰の個性はまだ萌芽状態ではあるものの、こうした努力の積み重ねが、のちの『御大典奉祝前奏曲』でのフーガや、『哀詩「荒城の月」を主題とする変奏曲』などにおける見事な変奏技法につながっていくのである。
作曲:山田耕筰
・内容:ピアノピース
・発売日:2024年4月28日
収録曲
シャコンヌハ長調
シャコンヌハ短調
シャコンヌト長調
解説
山田耕筰は1910年春にベルリンに渡って王立アカデミー高等音楽院に入学、レオポルト・カール・ヴォルフから作曲の指導を受ける。山田はここで、フーガ、ロンド、変奏曲、シャコンヌなど、バロックや古典派などの伝統的書法を徹底的に学ぶのだが、そうした中で書かれた習作の多くが現存しているだけでなく、一部の作品は演奏、出版まで計画されるなど、単なる課題の域を超えた“作品”として、彼は見ていたのではないかと思われる。
本巻に収録の3作の『シャコンヌ』もそうした留学中の課題曲として1910年に書かれたもので、このうちハ長調の楽曲は、1962年刊行の「山田耕筰全集10 ピアノ曲1」(第一法規出版)に収録されている。シャコンヌとは低音のオスティナート(同一パターンの繰り返し)の上で、上声パートが変奏を繰り広げるバロック時代の変奏曲形式であり、19世紀においてもブラームスの交響曲第4番の終楽章などにこの形式が採用されている。
山田が課題の中で取り上げたシャコンヌはオーソドックスなバロック的アプローチに基づいてはいるが、中盤以降ではベースラインのモチーフを分解して新たに展開させていくなど、様々な創意工夫を凝らしており、若き山田耕筰の溌剌とした才気を身近に感じることができる。後に開花する山田耕筰の個性はまだ萌芽状態ではあるものの、こうした努力の積み重ねが、のちの『御大典奉祝前奏曲』でのフーガや、『哀詩「荒城の月」を主題とする変奏曲』などにおける見事な変奏技法につながっていくのである。