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【チェロ&ピアノ】ロマンス/からたちの花

【チェロ&ピアノ】ロマンス/からたちの花

KYC-013
880(税込)

数量

作曲:山田耕筰  


・内容:スコア・パート譜一式

編成


Violoncello、Piano
 

解説


「ロマンス」 
 1908年に東京音楽学校声楽科を卒業した山田耕筰は、研究科に籍を置いて習作の作曲に勤しむ一方、この頃に赴任してきた音楽教師ヴェルクマイスターからチェロのレッスンも受けていた。本作は山田が自分自身のために1909年に作曲した小品だが、その出来栄えに感心したヴェルクマイスターが親交のあった岩崎小弥太男爵に山田を紹介し、これがきっかけで山田のベルリン留学が実現する。そして山田耕筰は作曲の専門教育を受けた最初の日本人となった。
 チェロに特徴的な幅広い音域を効果的に用いながら美しいメロディーを紡いでいく、その一方で、チェロとピアノとの対話や、カデンツァ風のパッセージなど、山田の試行錯誤の過程が窺える、習作期の中では出色の作品である。


「からたちの花」
 1925年に書かれた歌曲「からたちの花」を作曲者ならではの装飾を施しながら自由に紡がれた編曲で、1928年に出版された。この編曲を機に山田は『荒城の月』や『母の子守歌』、『泊り舟』、『野薔薇』などの編曲を次々に手がけていくことになる。
 以下はヴァイオリン版の初版に寄せた作曲者のはしがきである。
---
 北原白秋氏の原詩『からたちの花』に私が作曲したのは四年ほど前かと思います。私はこの曲が、今日ほどの流行を見るものとは思っておりませんでした。今私は各方面からの熱烈なる希望と懇望とに促されて、原曲をヴァイオリンの独奏曲に改変しました。
 それが独奏楽器のための楽曲であれば、伴奏も自ずから異なってこなければならぬものであります。したがってこの改編曲の伴奏は『からたちの花』の原曲とは格段に複雑化されております。
 私は一方に、私の曲の広く演奏されるのを喜ぶとともに、それが単なる流行にとどまるならばまだしも、正しからざる趣味を、国民のうちに注ぎ込むことを憂うるので、この編曲に際してもよき趣味に於いて整えるために充分の力を注いだつもりであります。
 しかし、この独奏部を書かれたまま演奏し得ない初歩の人々で、しかもなおこの楽曲を奏でたいという欲求を持たれる方もあると思います。そういう人々のために、私は、この曲の独奏部がただ単なる旋律のみの演奏によっても相当効果を上げ得るように編んだつもりであります。ただし、初歩の方々は楽譜の ☒ 記号で囲んである Cadenza の部分の演奏を差し控えられた方がよいと思います。そして48小節3拍目から再び始めて、終わりまで演奏されたらよかろうと思います。
 私はまたこの曲がチェロでも独奏し得るようにアレンジしました。チェロとヴァイオリンに於いては、しかし、楽器運用上における種々なる差異がありますから、Cadenza の部分はもとより、その他にもヴァイオリンのそれと異なった姿を持たしてあります。チェロの伴奏の際にはその点を特に留意していただきたい。
 私はこの曲を出発点として、我が国に広く、愛好されている歌曲その他を、こうした形式に編み直して、今後とも続いて発表したいと思っております。

作曲:山田耕筰  


・内容:スコア・パート譜一式

編成


Violoncello、Piano

解説


「ロマンス」 
 1908年に東京音楽学校声楽科を卒業した山田耕筰は、研究科に籍を置いて習作の作曲に勤しむ一方、この頃に赴任してきた音楽教師ヴェルクマイスターからチェロのレッスンも受けていた。本作は山田が自分自身のために1909年に作曲した小品だが、その出来栄えに感心したヴェルクマイスターが親交のあった岩崎小弥太男爵に山田を紹介し、これがきっかけで山田のベルリン留学が実現する。そして山田耕筰は作曲の専門教育を受けた最初の日本人となった。
 チェロに特徴的な幅広い音域を効果的に用いながら美しいメロディーを紡いでいく、その一方で、チェロとピアノとの対話や、カデンツァ風のパッセージなど、山田の試行錯誤の過程が窺える、習作期の中では出色の作品である。

「からたちの花」
 1925年に書かれた歌曲「からたちの花」を作曲者ならではの装飾を施しながら自由に紡がれた編曲で、1928年に出版された。この編曲を機に山田は『荒城の月』や『母の子守歌』、『泊り舟』、『野薔薇』などの編曲を次々に手がけていくことになる。
 以下はヴァイオリン版の初版に寄せた作曲者のはしがきである。
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 北原白秋氏の原詩『からたちの花』に私が作曲したのは四年ほど前かと思います。私はこの曲が、今日ほどの流行を見るものとは思っておりませんでした。今私は各方面からの熱烈なる希望と懇望とに促されて、原曲をヴァイオリンの独奏曲に改変しました。
 それが独奏楽器のための楽曲であれば、伴奏も自ずから異なってこなければならぬものであります。したがってこの改編曲の伴奏は『からたちの花』の原曲とは格段に複雑化されております。
 私は一方に、私の曲の広く演奏されるのを喜ぶとともに、それが単なる流行にとどまるならばまだしも、正しからざる趣味を、国民のうちに注ぎ込むことを憂うるので、この編曲に際してもよき趣味に於いて整えるために充分の力を注いだつもりであります。
 しかし、この独奏部を書かれたまま演奏し得ない初歩の人々で、しかもなおこの楽曲を奏でたいという欲求を持たれる方もあると思います。そういう人々のために、私は、この曲の独奏部がただ単なる旋律のみの演奏によっても相当効果を上げ得るように編んだつもりであります。ただし、初歩の方々は楽譜の ☒ 記号で囲んである Cadenza の部分の演奏を差し控えられた方がよいと思います。そして48小節3拍目から再び始めて、終わりまで演奏されたらよかろうと思います。
 私はまたこの曲がチェロでも独奏し得るようにアレンジしました。チェロとヴァイオリンに於いては、しかし、楽器運用上における種々なる差異がありますから、Cadenza の部分はもとより、その他にもヴァイオリンのそれと異なった姿を持たしてあります。チェロの伴奏の際にはその点を特に留意していただきたい。
 私はこの曲を出発点として、我が国に広く、愛好されている歌曲その他を、こうした形式に編み直して、今後とも続いて発表したいと思っております。